marukashi’s diary

色んなラノベの感想上げます。チラムネ界隈では「裕夢こんにゃろうの人」で関係者の中で話題です

日和ちゃんのお願いは絶対 4 感想 ※ネタバレ有

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[あらすじ]

終われぬ恋の、続きが始まる――壊れた世界で生きる僕らの、最後の恋物語

「さようなら。深春くん」
 あれから、季節は巡り……数か月。
 日和のいない日常は、それでも続く。世界がもう壊れてしまって、混沌への道を辿っていると知っていても。
 そんななか準備を始めた文化祭。それは、失われる「日常」を守ろうとする深春たちの、精一杯の抵抗だった。そして、彼らがやがて結果を出そうとする、その頃に――

 彼女は、再び深春の前に現れる。

 葉群日和。
 世界を変える「お願い」の力を秘めた女の子。
 〈天命評議会〉に戻ると決めた、深春の彼女だった女の子が。

「とても、単純に。わたしは、頃橋くんの気持ちを知りたいの」

 日常を守ろうとする少年と、その終わりを知りながら帰ってきた少女は、ふたたび言葉を交わし――このセカイと同じように、終われない恋の、続きが始まる。

 

 日和と東京で別れてからの数か月、様々なことが起きた世界、起きる世界で、当たり前が当たり前でなくなった日常を過ごす深春や卜部たち。それでも今までの当たり前を、ハレの日を作るために動く深春たち。そんな中で、突然帰ってきた、何も知らないみんなは死んだとさえ思っていた葉群日和が尾道に帰ってきた。なぜ彼女は帰ってきたのか。そして深春はハレの日を作ることができるのか...

 

 ということで「日和ちゃんのお願いは絶対 4」読み終えました。なんていうか、その・・・辛いです。前巻では物語中盤で強毒化したウイルスが原因による刑部奈々の死が告げられ、そして今巻では卜部の両親がウイルスにより亡くなったことが明かされ、卜部姉弟は頃橋家へとお世話になる・・・これで辛くなるなって方が無理でしょう。

 一方その間、日和ちゃんは天命評議会で活動していて、「お願い」をp駆使し世界各国で災害対策や暴動の弾圧などをしていました。その四か月間で、日和は何百万という人を助け、何千万という人を犠牲にしました。そんなことをすれば悟りではないですが、ある種覚悟みたいなものができ、前より落ち着いた性格となったのでしょう。そんな日和を前に深春はきっと畏怖したのでしょう。

 文化祭の準備を着々と進めていく中、日和は難民キャンプに行き、そこの過激派組織に受け安堂さんが連れ去られ、殺害されていた。天命評議会は世界征服も可能な組織、もちろんのこと過激派が許さずリーダー格を潰しに来る可能性は十二分にあった。偶然日和と安堂さんが離れたときに襲撃され、顔に傷一つない状態で遺体を回収できたのはよかったものの、天命評議会なんて名前がつく前から、活動を始めた日和にとって最初の仲間を失ったことは、彼女にとって、起こるとわかっていても辛いものなのでしょう。もう何もかもが辛い。

 文化祭を作り上げていく中で変わっていく卜部との関係。というより卜部が変えようとしている関係。卜部は何を思い、何を想い動いていくのか。

 天命評議会ができた理由、迫りくる災害をなんとかして回避できないものかと画策するも、日和の「お願い」の力ではどうしようもないところまで来てしまった。それが何を意味するのか・・・。

 文化祭が始まり、そして始まるものには終わりが来る。文化祭を終えた深春は、日和と話しをする。日和の気持ちは、深春の気持ちは、そして世界は・・・。

 

 超大雑把に物語を話しましたが、ここで僕が話してない中で気になったのは「お願い」という力でさえ無力な相手。世界は変わる。これまでの世の中は終わりを告げる。そして最後に綴られた「耳をつんざく爆発音」。「日和ちゃんのお願いは絶対」のストーリーの終わりを告げる音。天命評議会は世界の秩序、平和を守るために発足され、事実人の手が加わっているものは彼女たちが手を下していた。だがしかし、きっと、相手は自然現象で、中でも一番考えたくない「隕石の衝突」や「惑星系の崩壊」などが、起こるのでしょう。いや、文化祭がまだやっている頃には、世界のどこかで崩壊が起きていたのでしょう。日本は、尾道は運がよかったのでしょう。文化祭が無事終われたことは、尾道の誰にとっても良いことなのでしょう。

 

 おそらく次巻が最終巻。そして岬鷺宮先生のもう一つの作品「三角の距離は限りないゼロ」と同時に終わりを迎える。こちらは世界が終わり、あちらは二重人格が終わり、スケールは違うようで、でも世界と人の命で天秤をかけるには二つとも皿からあふれてしまう。そんなストーリーがどんな結末を迎えるのか。楽しみで楽しみで仕方がありません。 最終巻を気長に待っています。

 

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