このライトノベルがすごい! 2022 私が入れた作品、キャラクター、イラストレーター
みなさんどうも、まるちゃんです!
今回は11月25日発売の「このライトノベルがすごい!2022」の、僕が入れた作品について話していきたいと思います。今回僕はありがたいことに協力者として参加することができたので、協力者としてネタバレには十分に気をつけて記事を書いていきたいと思います。
まずライトノベル部門から、僕が入れた作品を順番に紹介、入れた理由などを話していきたいと思います。
1.プロペラオペラ
この作品は小学館ガガガ文庫から刊行されており、僕がこの作品を読むきっかけとなったのは前回のこのラノ2021でTOP10入りして目についたからです。この作品は太平洋戦争の海の戦いを元にして、創作として新たな要素「飛行艦船」というのが追加されています。この「飛行艦船」を主軸に物語が展開されていきます。ライトノベルでは陸の戦いがモチーフとなるのは多い気はしますが、海がモチーフとなるのは、ましてや空が軸となる作品は犬村小六先生以外では滅多にないと思うので、とても新鮮でした。
この作品のいいところは、戦争という重いテーマではあるものの、読み進めてみればやはりライトノベルとして読める作品という、犬村先生ならではの書き方をされていて、若い世代でもちゃんと読めるという点がすごいところでもあります。
僕がこの作品をランキングに入れたのは、5割は五巻を読んだからです。読んでない人もいると思うので過度なネタバレはできませんが、一巻から続く「プロペラオペラ」を締めくくる完結巻。戦争の無惨さ、過酷さ、醜さ。その中で見つける小さな希望の光。その全てを描く文章に惹かれ、五巻の帯にあるあの言葉に全てを持っていかれたと言っても過言ではない。あそこまで綺麗に話を終えることができた作品もなかなかないと思います。
各キャラクターが、主役でモブ役なんて存在しない。主人公黒之クロト、ヒロイン白之宮イザヤを初めとする空雷戦隊の乗組員全員が主役でした。誰か一人でも欠けていたら、きっとこの物語は途中で破綻していると思います。そんな作品をこのラノ一位にして、アニメ化アニメ映画化を実現させたいと思います!
2.ホヅミ先生と茉莉くんと。
この作品は電撃文庫から刊行されており、前作の「あの日、神様に願ったことは」を読んで葉月文先生の前々作である「Hello,Hello and Hello」を読んでこの人の描く作品に惹かれ、「ホヅミ先生と茉莉くんと。」も買いました。
この作品は売れているかと言えば売れていない専業作家のホヅミと、ひょんなことからホヅミをお世話することになった女子高生茉莉くんとのほのぼの日常ストーリー…かと思えばこの作品もライトノベルなのでしっかりと起承「転」結があり、ハラハラドキドキする場面もありました。二巻ではこの二人を軸に、新しい登場人物が出てきて物語を盛り上げていきました。三巻は十月発売作品なので投票対象外ではありますが、今までの登場人物たちで夏を満喫する物語でした。ホヅミ先生のモットーである「みんな笑顔のハッピーエンド」は葉月文先生のモットーでもあるのかなと思えるような結末、それはこの作品だけでなく、今までの「あの日、神様に願ったことは」「Hello, Hello and Hello」を読んだ人であればそのような結論になると思います。「みんな笑顔のハッピーエンド」の「みんな」は登場人物だけでなく、読者のことも入っているのだろうと思わせてくれる。そんな綺麗な文章を描く「ホヅミ先生と茉莉くんと。」を、葉月文先生を推していきます。
3.千歳くんはラムネ瓶のなか
この作品は小学館ガガガ文庫から刊行されており、前回のこのラノ2021では見事一位の座に付きました。前回は二巻と三巻が対象で、今回対象の四巻から六巻では発売当時それ以上の盛り上がりを見せたからこそ、今回のこのラノではどんな結果となるのか楽しみです。
四巻では今までの流れから言えば陽の問題に朔が手を貸すかと思えば、陽の問題に朔が手を貸し、朔の問題に陽が手を貸すという二人で高みを目指す物語でしたね。ここで陽が推しの人はもう揺らぐことなく、はたまたここで陽以外を推してた人は陽に揺らいだりと…僕は明日姉推しを貫いてます。明日姉大好き。
五巻はみんなと作る夏の思い出、そして夏勉合宿に水着回。もうサマーシーズン。もうね、挿絵も口絵も何もかもがずるい。明日姉!明日姉!
そして最後にやってくる衝撃が強すぎてやばい。
そしてシリーズ前半を締めくくる六巻。五巻からそのまま物語が続いていき、最後の衝撃を優空が優しく頭を撫でてくれるかのように物語を収め、でもその中には自分を抑える優空がいて、そんな優空を、朔が、夕湖が、チーム千歳が包み込んでくれた。シリーズ前半を締めくくるに相応しい六巻でした。協力者票と一般票で、今年何位となるのか、前回一位を取ってる分気になりますね。
4.春夏秋冬代行者
この作品は電撃文庫から刊行されており、KAエスマ文庫から刊行されている「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の著者暁佳奈先生の作品です。季節を巡らす四季の神から力を賜った四季の代行者。十年前消えた春の代行者「雛菊」は苦難を乗り越えて現人神として復帰した。暁 佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。
季節は巡る。それは当たり前のようで当たり前ではなかった。なぜ雛菊は消えたのか。どのようにして春は戻ってきたのか。それまでの苦難とこれから待ち受ける苦難。その中で成長していく各季節の代行者たち、奇跡を起こした代行者たち。読めば涙する奇跡の物語。今年の新作部門ではまず間違いなく一位を取るであろう作品と僕は考えます。
5.ミモザの告白
この作品は小学館ガガガ文庫から刊行されており、作者八目迷先生は第13回小学館ライトノベル大賞で「僕がウラシマトンネルを抜ける時」という作品でガガガ賞・審査員特別賞を受賞し、改題して「夏へのトンネル、さよならの出口」でデビューしています。二作目には「きのうの春で、君を待つ」を刊行されており季節シリーズとして三作目が刊行されると思いきやまさかの「身体の性別、心の性別」という僕が読んできたライトノベルのなかで初めて見る題材であり、ライトノベル界隈で反響を呼んでいましたね。季節シリーズでは「青春SF」をもとにしており、今回の「ミモザの告白」は正確なジャンルを表す言葉を僕は見つけれませんが、強いて言うなら「群像」なのかな? 今の世の中のどこかでありうる一つの物語。僕らの現実と切っては切り離せない物語だと思います。
続いてはキャラクター部門TOP3の紹介です。まずは女性部門から行きます。
1.西野明日風
「千歳くんはラムネ瓶のなか」に登場する千歳朔の頼れるお姉さんポジション。朔も敬意を込めてるのか「明日姉」と呼んでいますね。一巻と二巻では、朔にとっていざという時の相談相手である明日姉。でも明日姉は相談されなくても朔ならそうすると思いながらも話を聞いてあげるいい先輩。でも三巻から明かされる朔と明日姉の過去、そして明日姉としての顔ではない、明日風としての顔が現れる瞬間。本当の明日姉を見せられた時、きっとあなたも明日姉を推すでしょう。まずはチラムネを読んで、胸を締め付けられてください。
2.白花茉莉
「ホヅミ先生と茉莉くんと。」に登場する茉莉くんこと白花茉莉、主人公であるライトノベル作家ホヅミ先生のお世話をする女子高生。容姿端麗家事万能。嫌な顔ひとつせずホヅミをお世話する彼女に、お世話されてるホヅミを羨ましがらないはずがない。三巻では、ホヅミのために、ホヅミを信頼し、物語を盛り上げた彼女。そんな彼女がなぜホヅミのお世話をするのか、そんな彼女の抱えてる問題を、読まずにはいられない。そして彼女を知ったらもう、読者は彼女の虜になる。みなさんぜひ「ホヅミ先生と茉莉くんと。」を読んで彼女の虜になりましょう!
3.白之宮イザヤ
「プロペラオペラ」に登場する白之宮イザヤ。日之雄の王族の血を引く女の子。王族だからと言って女の子じゃないわけがない。ちゃんと恋する女の子。ガメリアでホットドックを食べて嬉しそうな顔をする女の子。そんな女の子は王族の血を引いているから、戦争において日之雄の民を奮い立たせるために戦場へと親友である風之宮リオと一緒に送りだされる。イザヤは艦長を務めるにあたり「乗組員みな家族」という理念を持ち、乗組員を愛し、乗組員に愛され、イザヤの船はいつも元気で生活している。艦長を務めるイザヤと、女の子の顔をするイザヤ。そのギャップにやられない女の子はいない。
さぁ続いてはカッコいい男性キャラクター部門に行きましょう。
1.黒之クロト
「プロペラオペラ」の主人公である黒之クロト。彼は幼いころにイザヤにプロポーズをした。その理由が「イザヤの権力」であり、イザヤと結婚すれば俺がこの国の王となる。ということでイザヤはそれを許さず、国家反逆罪ということで日之雄を追放された。逃げた先は自由の国ガメリア。だがしかし、ガメリアでは白人至上主義であり黄色い肌を持つ日之雄人であるクロトは迫害とまではいかないものの、いい扱いを受けなかった。その中でクロトは自分で生きる道を見出し、カイル・マクヴィルという男に引き抜かれた。しかしクロトはカイルの野望に利用された。その野望とは「イザヤを私のものにする」。そんな野望を潰すためにクロトは日之雄にもどってきた。イザヤの権力を理由にプロポーズをした彼が、本当にそれだけが理由だったのかはわからない。でも日之雄に戻ってきた彼の活躍に感動しないものはいない。彼のカッコよさは物語がすべてを語っている。プロペラオペラを読んでクロトのカッコよさを見たり、時には彼をバカにしましょう!
2.鬼束響鬼
「プロペラオペラ」に登場するイザヤが艦長を務める船の兵曹長を務めていた。個人的には主人公クロトにおける父親的存在がこの鬼束だと思う。一巻から続くプロペラオペラで、元王族であるクロトに対してイザヤたちを除いて唯一対等以上に話ができる男ではないかと思います。それに続いて他の乗組員もクロトに対していい意味で暴言を吐くことができて、艦内の雰囲気を良くしていたと思います。そんな鬼束の最終五巻における活躍に、あのセリフに、涙しないものはいないと、断言します。クロトがイザヤを守るために始まったこの物語に、鬼束響鬼はなくてはならない存在であったと僕は断言できます。
3.千歳朔
「千歳くんはラムネ瓶のなか」の主人公である千歳朔。一巻から始まるチラムネにおいて、この男なくしてチラムネは語れない。真のリア充の頂点に君臨するこの男。だがしかし、物語が進むごとにカッコいい千歳朔がどんどんカッコわるい千歳朔になっていく様子に、幻滅するどころか人間味を感じてむしろ良いと人気に拍車をかけていく。大人なようで、年相応の幼い子供が選ぶ選択に読者はきっと感動をする。だが千歳朔よ。親に許可をもらっているからって同じクラスの引きこもりの部屋のベランダの窓ガラスを割って侵入するのはどうかと思うぞ。
最後に、イラストレーター部門。
1.raemz
「千歳くんはラムネ瓶のなか」「白百合さんかかく語りき。」などのイラストを手掛けるアメリカ出身のイラストレーター。透明感のあるタッチと季節の匂いが香るようなイラストに、魅了されない人はいない。この人の強いところの一つに、「背景」があります。主にラノベを手掛けるイラストレーターはキャラクターはかけるのですが、背景に力を注ぐ時間がない人が多く、挿絵などではキャラクターを描いて背景真っ白の作品も少なくありません。そんな中でもraemz先生は「千歳くんはラムネ瓶のなか」がデビューであるものの、背景もしっかりと描いていてとてもすごいイラストレーターだと思いました。
2.溝口ケージ
「さくら荘なペットの彼女」「青春ブタ野郎シリーズ」「14歳とイラストレーター」などを手掛けるイラストレーター。Ntypeという名前でサークル活動もしていらっしゃいます。「さくら荘」から始まる鴨志田先生とのコンビで、十一年間の成長を見ることができ、人間継続すればちゃんと成長ができるということを認識させてくれます。溝口ケージ先生のイラストは「感情」があるように思えます。楽しい描写なら先生も楽しく描いているような、辛い描写なら描いていて辛いと思っているような、そんな風に描くイラストに、物語と相まって読者の感情もより強く引き込まれていくようなイラストだと思いました。
3.フライ
「弱キャラ友崎くん」「あの日、神様に願ったことは」「キミの忘れかたを教えて」などを手掛けるイラストレーター。最近では成年誌の表紙も描いているマルチなイラストレーター。フライ先生のイラストにおいて「色鮮やか」という言葉がマッチすると思います。髪の毛やその色、表情や服装。その扱い方はもはや色を司る神なのではないかと疑うほどに。そんなフライ先生は二年連続でこのラノの表紙を飾るという偉業を成し遂げています。今年こそフライ先生がイラストレーター部門一位を取るのでしょうか!楽しみです!!
長々と記事を読んでいただきありがとうございます。僕個人でライトノベル部門協力者票のランキングを集計していますので
、正式に発売されたらこのラノ順位の感想と一緒に、協力者部門でのランキングを書いた記事を投稿しようと考えています。読んでくださると泣いて喜びます。( ;∀;)
〇各種リンク
・このライトノベルがすごい! 2022
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・プロペラオペラ
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・ホヅミ先生と茉莉くんと。
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・千歳くんはラムネ瓶のなか
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・ミモザの告白
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〇イラストレーターの方々
・raemzさん
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・フライ
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