marukashi’s diary

色んなラノベの感想上げます。チラムネ界隈では「裕夢こんにゃろうの人」で関係者の中で話題です

千歳くんはラムネ瓶のなか 7 感想

[あらすじ]

色のない九月。色めく私たちの望み。
「1年5組の望紅葉です。よろしくお願いします」



夏休みが明けて、九月。

藤志高祭に向けた準備が始まった。校外祭、体育祭、文化祭が連なる、高校生活でもとびきり華やかなイベントだ。



俺たちは青組の応援団に立候補し、グループパフォーマンスを披露する。

縦割りチームで3年代表として明日姉が、そして1年からは陸上部の紅葉が参加することになった。



夏でも秋でもない、あわいの季節。

俺たちは時間と追いかけっこしながら、おだやかな青に染まっていく――。

 

 ついに始まった、チラムネの終わりへと向かっていく物語。

 春を過ごして、あの夏を超えて、また新たに始まる秋を待ちわびていたこの5か月。

 朔、和希、海人、健太、夕湖、優空、陽、悠月、そして明日風。踏み出した夕焼けを掴んだ空。秋の前に挟んだひと夏の落ち着きを、チラムネは許してくれない。落ち着いていた心に熱を持たせ、どんな感情を持てばいいのかもわからず視線を右から左へとずらしていく。本編の最後を迎え、ようやくこの感情は落ち着くのだろうと思っていた。だけどそれは裏切られた。あとには裕夢先生のあとがきしか残っていなかったはずなのに、この人がこの文章を書いていた時の感情を知ることはできないし、読者の誰にも伝えることはないだろう。だけど、そこに書かれていた文相の感情は何よりもこのチラムネとリンクしていた。改めて認識させられた。この作品が完結を迎えるまでは絶対に死ねないし死ぬつもりも毛頭ない。この人の葛藤を見せられて、魂に魅せられて、この先を待ち望むことしかできないのがもどかしいと思いつつも、この人の筆ならいくらでも待てると確信した。

 

 って何書いてるんだと思いつつ熱を持ったハートでいるので特に恥ずかしくはなく、おそらく明日福井に行く電車の中でこれを読み直しても特に恥ずかしげもなく読み直すんだろうなと思う。

 最初は作品の感想を書いたほうがいいのかと思ったけれど、熱が青いうちに感情を吐き出したほうがきっといいだろうと思ったのです。

 

 さて、ここからは作品の感想を書こうか。と目次の部分の舞に目が行った。最初はインターハイの試合でも見るのかと思ったけど全然違った。最後の最後に出てきたうえに引き立て役みたいになったのはどんまいにも思えたが、それほどまでに高い壁だからこそ、この7巻を締めくくる相棒にはふさわしいとも思えた。

 一気に話を飛ばすけど、紅葉がみんなの思い出を踏みにじり始めたシーン。ここでこんなに涙を流してはraemz先生がイラストを描くときに持たないんじゃないのって思ってしまった。合宿で結構イラストを描いて、そのあとにこのイラストたちを描くのは心がしんどすぎる気がする。raemz先生はいつも裕夢先生のほしい1枚を仕上げてくれていると聞いているが、きっと裕夢先生が魂を綴っているから、想いを綴っているから、たとえ元の言葉が違えとraemz先生はくみ取れるのかなと、思いました。きっとチラムネは拾い上げてくれた岩浅さんと、裕夢先生とraemz先生でスタートしなければまた違った結末を迎えていたのかなと思います。話逸れた。

 学校祭で合宿を行うとかいう青春したかったとかいう戯言はさておいて、紅葉のやつめちゃんこぐいぐい来るなぁとか、みんな「〇〇さん」呼びなのに朔だけ「先輩」呼びなのは絶対脈ありな気がしたし、家に行きたいって簡単に言えるのもそんな気はしたよね。心の警鐘すごい鳴ってた。本を読むとき、割と声優さんが好きなので紅葉の声優を想像しながら読んでいたんですよ。最初は純真無垢というか、元気な活発素直な子みたいな、陸上部ということでさわやかさも感じつつ雨宮天さんみたいな声をあてはめていました。でも表の紅葉と本当の紅葉を見て、この二つの顔をみて、違うな。きっとこれは某お水ちゃんと同じポジションだからあてはめてしまっているとはわかりつつも、しっくりきているからと、佐倉綾音さんが近いのかなと思いました。今回は電子で読んだので、紙で読み直すときに声をあてはめなおそうかなと思います。

 明日姉のあのイラスト。感情を大人な一面で抑えている印象を持たせつつ、一番表に出している少女。この少女の泣き顔はいつまで立っても目を惹かれてしまう。走って乱れる髪、居場所を踏みにじるなと苦しくなる心、抑える手。トクベツではないけど、君との当たり前だった場所。そんな当たり前に表れてた子。なんだ?結局いろんな作品においても女の子の泣き顔が好きなのか?好きなんだよな裕夢先生?

 raemz先生に一番泣き顔を書かれたヒロインはって思って見返してたけど、明日姉がトップかなと思ったら、間違えてなければ夕湖と明日姉のタイだった。ていうか7巻で全ヒロインの泣き顔出てきたもんな。心が痛いよ。

 明日姉の一件以来、何かと朔についてく紅葉についてく悠月、そして確信をへて屋上へと向かう。そこで起きた戦いは、あっけなく悠月が負けてしまう。だって、彼女が正しいんだから。とこの停滞でよかった。この停滞がよかった。だけど彼女は進んでしまう。進み始めてしまっている。それに気づいてしまった悠月は、遅れをとらぬために舞へと勝負を挑む。そして傷つけ、舞を魅了し、そして勝つ。「ウミ、これが本気を出した私。私はもう、とどまらない」と言わんばかりのイラスト。ここで4巻で燃え上がった熱が再燃した。再燃したのにもうあとがきが始まってしまう・・・と思ったらあのあとがきだ。何よりも、7巻の全てにおいて、というより7巻が始まった本当のタイミングの筆者の心境が、何よりも熱を持って、俺の筆を進ませてくる。今は落ち着いているけど、この感想の書き始めに書いた熱は降りることのない高速道路のように早く筆を進ませてきた。いつもプロットは書かずに魂から出てくるチラムネをそのまま書いていた裕夢先生の、魂を見せつけられたことに、裕夢先生の熱を見ることができたことに、その熱がのった7巻を見ることができたことに、数々の作品を抱え、またとある高校生の職場見学に立ち会ったりと忙しい岩浅さんに、コミケ100で新刊を出す予定を組んでいた中で7巻のイラストを描き上げてくれたraemz先生に、そしてこの熱を届けてくれた裕夢先生に、ありったけの感謝を。

 あとがきで急に自分の本心晒してくんな裕夢こんにゃろういいぞもっとやれ!!

 

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